なぜ技術記事を削除したのか
AI プログラミングを深く取り入れた後、技術記事の大部分と技術書を削除した。技術的な細部は AI で片づく。いま気にかけているのは、経験と思考から生まれる設計のトレードオフや、選び方の考え方だ。
今年、AI プログラミングを深く取り入れた。思いつきの試しではなく、本気で没頭した。機能を書き、ツールを作り、実際の問題を解くために使った。
そしてブログと本棚の整理を始めた。技術まわりの記事の大半を削除し、ずっと読みたいと思っていた技術書も手放し始めた。
実は技術書を読むのが好きだった。新しいことを学ぶ感覚が好きで、技術の分野に深く入り込んで探究するのが好きだった。ただ、純粋に技術的な知識を本から学ぶ必要は、もうなくなった。
以前は『TypeScript 深層解析』や『React 完全ガイド』を買っていた。仕事で必要だったからだ。ある機能の使い方、API の細部、あるパターンをいつ使うかを知る必要があった。当時、その知識は貴重で、自分で身につけるしかなかった。
今は、そうした疑問はすべて AI に聞ける。TypeScript の細かいところまで教えてくれ、ベストプラクティスに沿った React のコードを書いてくれる。その知識を身につけるために、時間をかけて本を読む必要はもうない。
技術書の価値が消えたわけではない。ただ自分にとって、純粋な技術の知識はもう貴重ではない。細部を身につけるために読む必要もない。
だから、まだ読んでいない技術書を残しておく理由もなくなった。本棚を整理するとき、一冊ずつ抜いていった。
ブログの技術記事を削除したのも同じ理由だ。以前は「TypeScript でこういう機能を実装する方法」という記事を書いていた。当時は価値のある知識共有だった。今は誰でも AI で同じものを出せる。自分が書いても価値は薄い。
今、気にかけているのは、AI に置き換えられないものだ。なぜそのツールが必要なのか。この設計のトレードオフは何か。技術を選ぶとき、何を見るべきか。これらの答えは経験と思考から生まれる。技術の細部からは出てこない。
この転換には、はっきりした実利があった。生産性が上がった。資料を調べたり細部を学んだりする時間が要らなくなったからだ。最新の技術動向を追う必要も、新しいフレームワークや機能を身につけているかを気にする必要もない。未知の分野にも物怖じせず飛び込める。AI が基礎をすぐ身につけてくれると分かっているからだ。コードの細部に追われていた時間を、今は「そもそも何を解くべきか」を考える時間に充てている。
本は読み続けるし、文章も書き続ける。ただ、読むものも書くものも変わった。
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